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◎県育成会 『道草』上映会報告

 10月18日(金)かながわ労働プラザで「道草」上映会がありました。この映画は、障がい者の自立に対する私の概念を根底から覆してしまいました。
 これまで私は、自閉症で重度の知的障害があり、自傷、他害、破壊といった行動障害のある人が社会で自立生活を送ることは、現実問題として難しいだろうと考えていました。
 普段から障がい当事者の気持ちに立って本人目線で判断しようと心がけていた自分が、とてもはずかしく感じます。
 この映画に登場する三人の男性は、重度の自閉症で、集団生活が苦手であり、様々な問題も抱えています。
 でも介護者と一緒に、ささやかな楽しみを享受しながら一人暮らしをしています。
 長い長い散歩が日課だったり、公園でスケボーを楽しんだり、電車に乗って出かけり・・・、特別なことは何もしていません。
 でも、こんなささやかな日常を送ることが、重度の自閉症の人達にとっては、とても高い高ハードルなのです。
 宍戸監督の言葉も心に響きます。
 「知的障害のある人の自立とは、誰かの力を借りて自分の願い、思いを実現すること」
 「できないことを、人にお願いすることから自立がはじまる」
 この映画は、親はもちろん、障がい者にかかわる施設、事業所のスタッフ、相談支援専門員、行政、様々な方々に見ていただきたいと強く感じました。