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◎11月7日神奈川県手をつなぐ育成会大会報告

~3・11を忘れてはいけない。どんな災いも〝他人事〟ではない~
『あらためて
リスクを背負った人たちのセーフティーネットを考える!!』


前半は映画「生命のことづけ」を上映。東日本大震災で被災した盲ろう者の早坂洋子さんをナビゲーターとして映画は進行しました。様々な障がいのある方が、実際に体験した恐怖を、被災後の過酷な生活を、語っていました。
耳が聞こえないから何が起こっているのかわからず人々の恐怖におびえた表情を見て必死で逃げて助かった男性。
家族を助けるために自宅に戻り、母や妹、妹の子を車に乗せ逃げる途中で波にのまれ、命を落とした車椅子の若い男性。
ようやくたどり着いた避難所で「出ていけ」と罵声を浴びせられ蹴られた精神障がいのある人たち。
16日間、車いすに座り続けるしかなかった女性。
そうした中、数日後、全日本育成会をはじめとする様々な障がい者組織や支援団体が救援の取り組みを開始しました。
「もうだめだと思ったけど、家族のために命をあきらめられなかった」と語った障がいのある男性の言葉が胸を打ちました。

後半は、県知的障害施設団体連合会で被災地派遣活動のコーディネーターとして、現地で活動されたみなと舎ゆう施設長森下浩明さんのお話でした。震災の記憶が薄れていく中で、私たちは何を想像(想定)するか、今後何をしなければいけないかを問題提起されました。
○孤立しないために地域との接点は?
○何かあった時の連絡は一方向ではなく両方向でつながる道筋をつけておく。
○今の家以外に避難する場所は? 子どもが利用している福祉施設がベストだが、それに代わる場所はあるか?
○水を汲むために何時間も並ぶ。(成人一人3リットル)水を確保することが必要。
○障害者は支給されるもの(炭水化物ばかり)で我慢することが多かった。→長期戦になるとつらい。
○服薬は必ずペーパーで記録しておく。(パソコンは使えなく)
○不安なときは子供の好きなもの、食べやすいものが落ち着く(各自用意)

「私たちに今(これから)何ができるだろうか?」被災地の問題を自分たちのこととして、心を寄せながら考えてみることが必要。天災・震災が人災にならないように、一人でも犠牲者を出さないために孤立しない、孤立させないことが大切である。

限られた時間でしたが、重いテーマのもと、様々な課題を提起され、「自分たちが主体となってつながっていようという意識を持たなければ……」と、改めて背筋の伸びる思いでした。